
「陶芸をやってみたいけれど、何から始めればいいのか分からない」——そんな初心者の方に向けて、陶芸の基本からはじめかた、必要な道具、体験方法までをやさしく解説します。難しそうに見える陶芸も、実は身近にスタートできる奥深い世界。この記事では、はじめの一歩を踏み出すための情報をギュッとまとめました。
※この記事で使用している画像はイメージ画像です。
陶芸とは?
陶芸とは、粘土を成形して焼き、器やオブジェを作る工芸です。「陶器」や「磁器」などの違いはありますが、広い意味で粘土を焼いて作品にすること全般を「陶芸」と呼びます。作品づくりには、成形・乾燥・素焼き・施釉・本焼きという工程があり、それぞれに魅力と奥深さがあります。
初心者がはじめやすい陶芸の方法

陶芸は、本格的な設備がなくても気軽に始められます。初心者におすすめの方法を3つご紹介します。
- 陶芸教室に通う : 講師から直接指導を受けられるため、基礎をしっかり学びたい方に最適です。月謝制の教室が多く、ろくろや道具などの設備も整っています。焼成も教室に任せられるので、土いじりに集中できるのが大きなメリットです。
- 陶芸体験に参加する : 観光地やイベントで開催される1日体験や短期ワークショップは、手軽に陶芸の雰囲気を楽しむのにぴったりです。費用は教室や内容によって異なります。まずは土の感触を体験してみたい方におすすめです。
- 自宅で手びねり : 粘土と簡単な道具があれば、自宅でも自由に作品を作れます。費用を抑えて始めたい方や、自分のペースでじっくり取り組みたい方に向いています。完成した作品は、外部の焼成サービスを利用すれば郵送で本格的に仕上げることも可能です。
迷ったらまずは1日体験から始めるのがおすすめです。陶芸の雰囲気を楽しみつつ、自分に合った方法で次のステップに進めます。
陶芸に必要な道具と材料

陶芸を始めるには、いくつかの基本的な道具と材料が必要です。初心者は、まず最低限の道具からスタートするのがおすすめです。
- 粘土(陶土): 初心者には扱いやすい白土や赤土が人気です。白土はきめ細かく発色が良く、赤土は素朴で温かみのある風合いが特徴です。粘土は収縮率や焼き上がりの表情がそれぞれ異なるため、慣れてきたらいろいろな種類を
- へら・こて : 作品の形を整えたり、表面を滑らかに仕上げるための基本道具です。
- スポンジ・布 : 水分の調整や表面処理に使用します。
- カンナ・針道具 : 作品を削ったり、模様をつけるときに便利です。
- 作業スペース(板やトレイなど) : 粘土をこねたり、作品を置いたりするための場所が必要です。
- 手回しろくろ・電動ろくろ(※あれば便利): 成形の幅が広がります。手びねりでも十分楽しめますが、より本格的な作品作りに挑戦したい方には便利です。
どこで焼く?素焼きと本焼きについて
陶芸作品を仕上げるには「焼成」という工程が必要です。自宅で窯を使うのは難しいため、以下の方法で対応するのが一般的です。
- 陶芸教室や体験施設に持ち込む : 焼成のみを受け付けている工房もあります。
- 外部の焼成サービスを利用 : 郵送で作品を送ることで、焼成を依頼できるサービスがあります。
焼成は二段階
焼成は、通常「素焼き」と「本焼き」の二段階に分かれます。
- 素焼き(700〜900℃) : 作品の水分を飛ばし、もろい状態からある程度の強度を持たせます。素焼きを行うことで、次の工程の施釉(釉薬をかける作業)がしやすくなります。
- 本焼き(1,200℃前後) : 釉薬をかけた作品をさらに高温で焼き上げます。この工程で粘土や釉薬がガラス質に変化し、作品に強度や防水性、美しい色合いが生まれます。
・陶器:釉薬が表面を覆い、防水性が高まります。
・磁器:土自体がガラス質化し、緻密で丈夫な器になります。
この二段階の焼成を経ることで、作品は最終的に丈夫で美しい仕上がりになります。
まずは「手びねり」から始めよう

初心者が最も気軽に始められる技法が「手びねり」です。粘土を手でこねて形を作る方法で、特別な道具がほとんど不要なうえ、自由な造形が可能です。
- 紐づくり(ひもづくり): 粘土を棒状にして積み上げていく方法で、花瓶やカップなど高さのあるものを作るのに適しています。
- 押し広げ成形(タタラづくり・ピンチング): 粘土の塊を指でつまんで広げる「ピンチング」や、粘土を板状にして成形する「タタラづくり」があります。お皿や小鉢など、平らな作品作りに向いています。
慣れてきたら、より複雑な形を作れる「タタラ成形(板づくり)」や、均整の取れた美しい形を生み出す「ろくろ成形」へとステップアップしていきましょう。
陶芸の失敗を避けるためのヒントと安全対策
陶芸は土と火を扱うため、いくつかの注意点があります。
- 乾燥 : 作品の乾燥が不十分だったり、乾燥中に急激な温度変化があるとひび割れの原因になります。風通しの良い日陰でゆっくりと乾燥させましょう。
- 厚み : 作品の厚みが均一でないと、乾燥時や焼成時に歪みやひび割れが起きやすくなります。できるだけ全体を同じくらいの厚さに保つのがコツです。
- 粉塵対策 : 粘土の粉塵を吸い込むと健康に影響が出る場合があります。作業中は換気を心がけ、必要であればマスクを着用しましょう。
- 窯の安全 : 自宅にミニ窯を導入する場合は、メーカーの指示に従い、換気を十分に行い、周囲に燃えやすいものを置かないなど、火災予防に最大限の注意を払ってください。
初心者向け陶芸セットもおすすめ
最近では、初心者向けの陶芸スターターセットも販売されており、自宅で気軽にチャレンジできます。粘土、道具、ミニ窯(簡易電気窯)などが含まれているものもあります。
また、焼成代行付きのセットもあるため、完成品を焼いて届けてもらうことも可能です。
-まとめ- 陶芸は気軽に始められる奥深い趣味
陶芸は「難しそう」と思われがちですが、手びねりや体験教室からなら気軽にスタートできます。自分で作った器を日常で使う喜びは格別です。粘土の種類や釉薬の組み合わせを考えるのもまた陶芸の醍醐味。最初の一歩さえ踏み出せば、土に触れる癒しの時間があなたを待っています。
まずは近くの陶芸体験に参加して、粘土の感触を楽しんでみてはいかがでしょうか?
