【実践編:手びねり】初心者でも形になる!「手びねり」の基本技法と失敗しにくいコツ

手びねりの画像

道具と粘土が揃ったら、いよいよ作品作りです。 陶芸には電動ろくろなどさまざまな技法がありますが、初心者が最初に挑戦するなら、自分の手だけで形を作る「手びねり」がおすすめです。

理由はシンプルで、

  • 特別な機械がいらない
  • 土の状態を指先で感じ取りやすい
  • 失敗の原因が理解しやすい

という、学びやすさが揃っているからです。

この記事では、初心者がまず覚えておきたい「玉作り」と「紐作り」の2つの基本技法と、 多くの人がつまずく「ひび割れ」「厚みムラ」を防ぐための具体的なコツを解説します。

※この記事で使用している画像はイメージです。

手びねりの基本技法① 玉作り(小さめの器に最適)

特徴:
丸めた粘土の塊に親指を差し込み、内側から少しずつ広げて形を作る、もっともシンプルな技法です。

向いている作品:

  • ぐい呑み
  • 小鉢
  • 箸置き

失敗しにくいコツ:
一度に大きく広げようとすると、土に無理な力がかかり、ひび割れの原因になります。 粘土を手のひらでゆっくり回しながら、

  • 親指は内側
  • 他の指は外側

で挟むようにし、「少しずつ・均等な厚さ」を意識して広げていくのがポイントです。

手びねりの基本技法② 紐作り(自由な形が作れる)

特徴:
紐状に伸ばした粘土を、底板の上に積み上げて形を作る技法です。 高さやフォルムの自由度が高く、表現の幅が広がります。

向いている作品:

  • マグカップ
  • 茶碗
  • 花瓶

失敗しにくいコツ:
紐を積むごとに、内側と外側の境目を必ずなじませることが重要です。 指やヘラでしっかり「なぞって一体化」させないと、焼成時に層が剥がれる原因になります。

「積む → なじませる」を1段ごとに繰り返すのが、成功への近道です。

初心者の2大トラブルを防ぐ

■ ひび割れを防ぐポイント

  • 水のつけすぎは逆効果:
    乾いてきたからといって水をつけすぎると、乾燥時の収縮差でかえって割れやすくなります。手は「しっとり湿っている」程度を保ちましょう。
  • 縁(ふち)の乾燥に注意:
    縁は最も乾きやすい部分です。カサついてきたら、湿らせたスポンジや布で軽く押さえるように水分補給をします。
  • 底の乾燥ムラに注意:
    底は厚みが残りやすく、作業板に接しているため乾燥が遅れがちです。側面だけが先に乾くと、収縮差によって底にひび(底割れ)が入りやすくなります。成形後、表面が触ってもべたつかず、手でそっと持てる程度に固まったら、一度ひっくり返しましょう。新聞紙などの通気性のある素材の上に置くことで、底と側面の乾燥差を抑えることができます。
乾燥ムラによって生じた「底割れ」の例。(イメージ画像)

■ 厚みムラを防ぐポイント

  • 底は道具に頼ってOK:
    底板を作る際は、粘土の両脇に同じ厚さの板や割り箸を置き、その上を麺棒で転がすと、簡単に厚みが揃います。
  • 目安は「7〜8mm」:
    薄すぎると強度が不足し、逆に厚すぎると内部に水分が残りやすく、乾燥後の焼成時に破裂する原因になります。指で触って、全体が均一な厚みになっているかを確認しましょう。

成形後に必ず行う「乾燥」の工程

形ができたら、すぐに焼くことはできません。完全乾燥が不可欠です。

乾燥の基本手順:

直射日光と風を避ける
急激な乾燥は割れを招きます。

数日間は「半乾き」を目指す
ビニール袋をふんわり被せ、数日かけて水分を均一に飛ばします。

タイミングを見てひっくり返す
手で持てる固さになったらひっくり返し、底もしっかり空気に触れさせます。 完全に色が変わり、触っても冷たく感じない状態になるまで、1週間〜10日ほど(厚みによってはそれ以上)じっくり待ちましょう。 ※焦りは失敗のもと。ここは「我慢」が一番のコツです。

まとめ

手びねりは、指の跡そのものが味わいになる技法です。

  • 手のひらサイズなら → 玉作り
  • 高さや量感が欲しいなら → 紐作り

最初から完璧な形を目指す必要はありません。 まずは均一な厚みとゆっくりした作業を意識して、 土に触れる時間そのものを楽しんでみてください。

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